福岡晃子（Accobin）オフィシャルサイト

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『独白が妙に心から離れない』

「ソロ作ってるんですけど、なんだか難しいんですよねー」　
「ふむふむ」
そんな話をしたのは、徳島でのくもゆきライブの後の車内。
風と車の揺れもあいまって、なんだか舟の上で話を聞いたような、錯覚の記憶。

（以下、もの作りをするもの同士としての勝手な想像）

トライ＆エラー、書いては消して、を繰り返し途方に暮れる。
遠回り、何か掴んだような気がしするも撃沈、そもそもこれ、必要か、、、、？
そんな自問自答と試行錯誤を繰り返していく日々はなかなかに苦しいもの。
苦しいけれど、だんだんとひとつひとつのピースが繋がっていく時の感覚、
伴走者たちの励まし（これが何よりありがたい）が追い風になって、
しっかりと根っこのある何かが生まれた時の達成感は、
作った本人たちだけが味わえる喜び。
そしてそれを「まっさらな状態」で聴いて味わえるのは、僕ら聴く側の喜びだ。

彼女は迷いながらも、accobinとしてきっちりアルバムを届けてくれた。
さすが、である。
聴きながら、冒頭の話を何度も思い出している。
この３年半の過ごし方は、本当に人それぞれだなあと思う。
自分にとってはどんな時間だったんだろうか。

ゆっくり歩き出したつもりがいつのまにか早足になり、やがて疾走に変わってゆく。
長く、重たく降り続いた雨の後の、まっさらな青空のようなアルバムだ。
元気な彼女の笑顔が浮かんできて、カラフルでポップな曲たちが部屋を明るくしてくれる。
それでいて、不意に見せる<ひとり＞の顔、「ジャムと納豆」のリアルな独白が妙に心から離れない。
いちミュージシャンとして、そしてくもゆきのメンバーとしても、あっこちゃんを誇らしく思っています。

おおはた雄一 (くもゆき)

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